第36回アメリカズカップのブログ更新について
1月15日(金)から、アメリカズカップの前哨戦となるPRADA CUPが始まります。
今後の最新情報はこちらのサイトからチェックしてください!
沢山の方に見て頂けるとうれしいです!
JAPAN SAILGP TEAMが発足
久しぶりの投稿になり、その間に起こった新たな動きについてまとめます。
これまでアメリカズカップの立役者の一人であったラッセル・クーツが、ラリー・エリソンと組んで、10月5日に新しいレース、通称Sail GP を発表しました。
レースに使われるヨットは、前回のアメリカズカップで採用されたカタマランAC50を改造してF50と命名されたカタマランです。
これは、従来のアメリカズカップの仕来りに反旗を翻した新しい動きであり、より興行性の強いイベントとして発展させるという目的があると読み取れます。
レース概要は、世界を舞台とし、2019年からスタートし、賞金100万ドルを賭けたレースになります。
レース開催地と日程は以下の通り。
シドニー(オーストラリア):2019年2月15日ー16日
サンフランシスコ(アメリカ):5月4日ー5日
ニューヨーク(アメリカ):6月21日 ー22日
カウズ(イギリス):8月10日ー11日
マルセイユ(フランス):9月20日ー22日
参加チームは、6カ国/6チームで、国名をチーム名としながら、自国籍セーラーに加えて外国人セーラーも混ぜて構成されています。
注目したのは、各チームには過去にアメリカズカップを経験したセーラーが参加していることです。
ー イギリス:Chris Draper(元ソフトバンク)
ー オーストラリア:Tom Slingsby (元オラクル)
ー アメリカ:Rome Kirby (元オラクル)
ー フランス:Olivier Herledant(元チームフランス)
ー 中国
そして、11月20日に最後の参加チームとして発表されたのは、日本チームでした。
元ソフトバンクの吉田選手、笠谷選手に加えて、ユースのジャパンチームで経験のある高橋選手と、元アルテミスのNathan Outteridgeで構成されています。
つまり、日本チームは本来のアメリカズカップには参戦せず、Sail GPに参戦することを選んだということになります。
レース自体は、国名をチーム名としていること以外は、カタマランのレースですでに存在しているExtreme Sailing にものすごく似ている印象を個人的に持っています。
もう一つSail GPが強気に見える点は、国際オリンピック委員会認可の団体Workd Sailingが後ろ盾にあることです。
おそらく、これはオリンピックで活躍するセーラーをプロとして育成するチャンスとして使われる目的もあるのではないかと想像します。
すでに、Extreme Sailing で参戦しているAlinghiのオーナーErnest Bertarelli は、「次回のアメリカズカップがカタマランで続行するならアメリカズカップに参戦しようと思っていたが、モノハルになったので、参戦をやめた」とイタリアメディアのインタビューでコメントしていたくらいですから、近い将来Extreme SailingとSail GPが融合することもあるんじゃないかという想像もよぎりました。
一方のアメリカズカップは、2019年からワールドシリーズがスタートし、イタリアでも開催が予定されているということです。
アメリカズカップの新しい流れと本来の流れを見守る必要がありそうです。
それではまた!
PirelliがLuna Rossa の共同スポンサーに!
久し振りの更新です。
8月13日付で、イタリアの有名タイヤメーカーPirelli (ピレッリ)が、Luna Rossaの共同スポンサーになり、2019年のワールドシリーズからPirelli とPRADAの両ブランド名でレースに参戦することが発表されました。
単なるスポンサー契約の話かという印象はありますが、このニュースはイタリアの一般紙コリエーレ・デラ・セーラの一面記事を飾るほどでしたので、ご紹介します。
下の写真は、イタリアのスポーツ紙ガゼッタ・デロ・スポルト
どちらも、この共同スポンサーの発表の背景には、Pirelli のCEOであるProvera氏が、2007年アメリカズカップ・ヴァレンシア大会の際に、イタリア電話会社TIMのCEO時代にもLuna Rossaにスポンサーとして参加していたことが注目され、今回もPRADAのBertelli 氏とのアメリカズカップに対する強い思い入れがあるからこそ。と言われています。
Pirelliは、イタリアのタイヤメーカーですでにF1のスポンサーとして有名ですし、
前回のアメリカズカップでは、ニュージーランドのスポンサーにもなっていました。
この2社がタックを組むことで、2021年のアメリカズカップを本気でイタリアにもたらそうという意気込みを感じさせる発表だと記事で締めくくられています。
こちらは、Luna Rossaから出た今回の発表に関する動画です。
それではまた!
Luna Rossa TP52 進水式の現地リポート②
このメンバーが新生 Team Luna Rossa。
Vasco Vascotto, Francesco Bruni, Giberto Nobiliのベテランセーラーと一緒にニュージェネレーションプロジェクトで新たに選考された次世代を担うイタリア人セーラーも紹介されました。
ベテランセーラーで、過去にアメリカズカップの勝利をオラクルやニュージーランドに所属していたことで経験しているセーラーもいますが、誰もが口を揃えて「ロナロッサとして、イタリア人としてイタリアのためにアメリカズカップを勝利する」と言っていました。
ルナロッサのオーナーPatrizio Bertelli とスキッパーMax Sirena、進水式の主役となる17歳の少女も揃って。
この少女は、Luisa Penso(ルイーザ・ペンソ)という地元トリエステ出身の、420級で活躍するオリンピック出場も期待されるセーラーだそうです。
(私自身、実を言うと、過去のルナロッサの進水式の時は、Patrizio Bertelli の奥さんでもあるミウッチャ・プラダが今回もシャンパンのボトルを割るゴッドマザー役を務めるかと勝手に期待していたのですが。。。)
進水式の会場となった広場は、雨の天気予報を無視するかのように、晴天に恵まれ多くの観衆が集まってきました。
もう一人の立役者となった、イタリア人ピアニストが登場し、ピアノの生演奏で会場を盛り上げました。
お待ちかねの洗礼の瞬間。
期待通りにシャンパンボトルが割れて、会場は一安心と歓喜で盛り上がり、
海からもお祝いのサイレント放水ジェットのパフォーマンスが。
文字通り、盛大なフェスタになりました!
その後、クレーン車でLuna Rossa TP52が持ち上げられて、海面に浮かべられました!
プラダのルナロッサということで、イタリア国内の注目度、人気の高さを実感させられます。
スポーツ紙、一般紙に限らず、ファッション業界紙も新しいルナロッサの船出を祝福し、大々的に取り上げる扱いがあります。
イタリアのメディアインタビューで、ルナロッサのオーナー、Patrizio Bertelliが進水式を見届けた後、冗談交じりで「進水式をやれば、やるほど、自分の寿命が伸びている気がする。自分は72歳だが、まだまだこれから」とコメントしていたのも印象に残りました。
というわけで、2回に分けてリポートすることになりましたが、楽しんでいただけたらうれしいです!
それではまた!
http://www.lunarossachallenge.com/it/news/246_Varato-a-Trieste-il-nuovo-TP52-Luna-Rossa
Luna Rossa TP52進水式の現地リポート!①
「私はあなたをルナロッサと命名する!」という宣言で、シャンパンのボトルが期待通り勢いよく割れて、イタリアのトリエステでLuna Rossa TP52が誕生しました。
以前にお伝えしたように、今回誕生したLuna Rossa TP52は、2021年アメリカズカップを目標にしたチーム作りの一環としてLuna Rossa TP52が、5月21日のクロアチアでスタートする52 Super Seriesに参加するためのヨットです。
ヨットの建造をイタリアで行うことにもこだわったLuna Rossa TP52が、イタリアの北東部にある港湾都市、トリエステを選んだのは、これからクロアチアに向かうことと、今シーズンからルナロッサに移籍したトリエステ出身セーラーVasco Vascotto (ヴァスコ・ヴァスコット)とチーム内のミーティングで生まれたアイデアだったそうです。
進水式の会場となったのは、トリエステ市のシンボルの一つで、ヨーロッパ最大の広場と言われるPiazza Dell'Unita(ピアツッア・デル・ウニタ)。
トリエステは、年に1度開催されるイタリアヨットの祭典ともいわれるBarcolana(バルコラーナ)の会場で、今年は50周年を迎える大切なレガッタがあります。
そのため、今回の進水式でルナロッサがトリエステを選んだのは、ルナロッサはイタリアのセーリング界を支持するし、トリエステはルナロッサの新たな挑戦を支持するという友好関係を意味すると伝えられています。
広場に到着すると、すぐにルナロッサが目に留まり、進水式を待っている感じの人たちが集まっていました。
記者会見は歴史を感じる格式高い建築の市庁舎の一室で。
ルナロッサのオーナーPatrizio Bertelli 、スキッパーMax Sirena、セーラーのVasco Vascotto、Gilberto Nobili、Francesco Bruni、とシチリアヨットクラブの代表者が記者会見に参加しました。
記者会見では、もちろん2021年のアメリカズカップに関する質問もイタリア人ジャーナリストから投げられました。
印象に残ったコメントは、
「とにかく、(オラクルが、とは言わないものの)アメリカズカップのやり方が大きく変わったことで、ここ最近のアメリカズカップで多くのファンや関心を失うことになった。このレースの魅力を伝えることが大切。」
「ルナロッサはアメリカズカップを勝ち取ることが目標」
「2017年のエミレーツ・チーム・ニュージーランドがペダルの動力を採用したヨットで参戦したが、AC75では、あるチームがだけがペダルシステムを使う。というような不公平なヨットの企画にならないように、注意をした」
「アメリカズカップの参戦で必要とされる予算は、日本円で約85億円から95億円で、現在もルナロッサは、参加希望チームの相談を受け付けている。
チャレンジャーとして参加可能なチーム数は6チームぐらいではないか」
「イタリアのセーリング界とルナロッサ、ルナロッサがイタリアの各都市と協力できることはできるだけ行う」
日本の企業家で、ここまで自由な発想と行動力を持って一つのアイデアを実現できる人は、どれだけいるだろうか?と思わせられた記者会見でした。
記者会見後、市庁舎の宮殿のテラスでは、ルナロッサのオーナーPatrizio Bertelliが、CNNのインタビューに回答。
同じテラスから見えるLuna Rossa TP52は絵葉書のような素敵な光景です。
こちらが進水前のLuna Rossa TP52。
ブラックのオパーク仕上げの船体に、赤いルナロッサのロゴが、とてもよくデザインされています。
先頭部分は、46の番号がついています。イタリアのメディアでは、プロのバイクレーサーの有名選手Valentino Rossiの番号と同じ46で縁起が良いとも伝えられていました。
というわけで、これ以上書くともっと長くなるので、とりあえず今日はここまでにします。
次回の更新で進水式の様子を詳しくレポートします。
それではまた!
5月13日は、ルナロッサTP52の進水式!
今年のルナロッサは、ヨットレースTP 52に参戦することを以前にお伝えしました。
いよいよ5月13日(日曜日)に、イタリアの北東に位置する都市、トリエステでルナロッサのTP 52用新型ヨットが披露されます!
上記の写真は、すでにトリエステのポルト・サン・ロッコに移動されたルナロッサの様子です。ヨーロッパで一番大きな広場と言われる海に面した有名な広場、Piazza Dell'Unita (ピアッツァ・デルニタ)で、13日の進水式に備えて、ルナロッサがトリエステが生まれ故郷だと感じてもらえるように、大きなフェスタを現在準備中という情報が入っています!
トリエステは、イタリアの歴史のある港湾都市でヨットレースにも長い伝統がある年に一度開催されるヨットレースの祭典とも言えるBarcolana(バルコラーナ)の開催地でもあります。
13日の進水式の当日は、ルナロッサとバルコラーナの結びつきと友好関係、リニューアルしたルナロッサのメンバーには、Vasco Vascotto(バスコ・バスコット)、ニュージェネレーションプロジェクトで、新たに加入したAndrea Tesei(アンドレア・テゼイ)というトリエステ出身のセーラーもいるので、トリエステ市とルナロッサの特別な結びつきも大切にしたいという、トリエステ市の大きな期待と思いが込められています。
されに、進水式を目前にして、ルナロッサのニュージェネレーションプロジェクトでは、新たにイタリア人セーラー加入のニュースも発表されています。
Jacopo Plazzi, Umberto Molineris , Nicolas Brezzi の3名がルナロッサのメンバーとして選ばれました。
13日の進水式には、現地からレポートします!
Instagram、ツィッターでの速報をお楽しみに!
アカウントはこちら。
Instagram : @more_americascup
Twitter : @americascupmore
http://www.lunarossachallenge.com/it/news/240_DOMENICA-13-MAGGIO-IL-VARO-DEL-NUOVO-TP52-LUNA-ROSSA
http://www.barcolana.it/code/20412/Il-TP52-Luna-Rossa-arrivato-oggi-a-Porto-San-Rocco
新イギリスチームが誕生!
これまで、イギリスチームはLAND ROVER BARとしてアメリカズカップに参戦しましたが、2021年のアメリカズカップは、スポンサーが変わって新しいチーム名で参戦することが公表されました。
新イギリスチームは、INEOS TEAM GB
INEOSは、現在本社がイギリス大手の石油化学会社で、Ben Ainslie のイギリスチームのメインスポンサーになるということ。
拠点はこれまでのイギリス、ポーツマスで、INEOSの投資金額は1億3300万米ドル、日本円にして約150億円だと言われています。
もちろん、目標はBring The Cup Home
イギリスで誕生したアメリカズカップを母国イギリスに持ち帰ろう。ということにINEOSのCEO、 Jim Ratcliffeも賛同しており、スキッパーのBen Ainslieは、「新しい空中に浮くモノハルのヨットを2艘用意するためには、もっと決定的な投資が必要だった」ということで、これまでのスポンサーであったLAND ROVERとの関係に終止符を打つことに。
挑戦は Royal Yacht Squadron Racingから正式発表され、
チームのCEOは、すでにAustralia II, Alinghi e Oracleでキャリアを持つGrant Simmer。
スキッパーは、もちろんBen Ainslie で、この他にタクティシャンとして、オリンピック金メダリストGiles Scottが加わるとされています。
新生INEOS TEAM GBのイメージCGはこちら。
INEOS TEAM GBのオフィシャルサイト
それではまた!