AC36ロケーションイメージ公開
12月1日にエミレーツ・チーム・ニュージーランドから、36回アメリカズカップのロケーションイメージが公開されました。
ちょうど、この公開の数日前に、ニュージーランドメディアから、アメリカズカップの会場がオークランドではなく、中東のオマーンやアブダビに開場が移されるのではないか?という情報が流れて、直後にエミレーツ・チーム・ニュージーランドが、この情報を否定し、オークランド開催を公言するコメントを出したので、それを受けてのCG画像でロケーションイメージ公開となったようにも見受けられます。
動画はこちらから。
The vision of Auckland’s America’s Cup in 2021
場所はオークランドのWynyard Quarter(ワインヤード・クオーター)と Viaduct basin(バイアダクト・ベイシン)のようです。
注目したのは、各チームのベース基地で、アメリカズカップにすでに参戦を表明しているニュージーランド、イタリア、イギリス、アメリカの他に、オーストリア、中国、2つ目のアメリカのベース基地がすでに画像に入っていることです。
スウェーデン、フランス、そして日本の気配がまだありません。
まだ正式な参加登録はスタートしていないので、あまり心配する必要はないと思いますが、中国チームやオーストリアチームの参戦の可能性というのも見逃せないと思います。
アメリカの2つ目のチームはオラクルなのかどうかも注目です。
そして、スイスのアリンギはどうするのか?
それではまた!
続きを読むAC75のデザインコンセプトの注目点
11月21日に発表された新しいヨットクラスAC75について、イタリアメディアで注目されたポイントを紹介します。
キーワードは
「空中に浮くモノハル」
「転覆しない」
「センターキールがない」
「スタートが攻撃的」
AC75のデザインコンセプトが発表されてすぐに、SNS上でもすぐに新しいヨットへの期待と賞賛のコメントが多く寄せられています。
モノハルの両サイドにT字型フォイルが付いていることで、 モノハルでも空中に浮きながら走行し、フォイルの操作により、通常走行、安定走行などに切り替えができることになります。
カタマランの時にみられたような転覆事故も、フォイルの復元力があるので、バミューダでの惨事は避けることができるという理論です。
この他に、このフォイルがあることで、直進走行をするときには軽風でもできるだけ速度を出し、水の抵抗を軽減することができるので、進路変更時にカタマランでは大きな減速が見られたことに対して、このデザインではジャイビングやタッキングで失速することを最低限に抑えると言われています。
キールがないというのも、将来性を感じさせる革新的なデザインのひとつです。
キールは船の風下での横滑りを防止する機能があるので、ほとんどのヨットの船のお腹の下にはついているのが当たり前とされていますが、AC75ではキールなしで走行ができるというのも技術進歩の見どころになります。
硬質ウィングセールを使わない。
バミューダ大会で使われたAC45のカタマランについていたメインセールは、硬質のウィングセールでした。
これには、毎日クレーンを使ってドックに戻ってきたらセールを取り外さなければいけないという面倒な作業がありました。
その解決策が、今回の硬質ウィングセールを排除することです。
理由として、将来的に他のヨットクラスに変更になった場合にも活用できる技術開発への追求があります。
カタマランでは、硬質ウィングのパワーとコントロールを利用した技術でしたが、この技術は実際に他のヨットクラスのマストには採用されている例がありません。
フォイリングシステムの革新も併せながら、硬質ウィングに伴う取り扱いにくさへの解決作として考慮されています。
また、セーリング方法がプロジェクトのメインテーマでありながら、AC75のデザインコンセプトにおいては、ロジスティックな部分にも注意があり、倉庫内シェルターでの取り扱いやドックへのアクセスのしやすさ、マリーナで幅を取り過ぎず、標準的な停泊ができることも考慮されているということです。
AC75のデザインは、過去のアメリカズカップで採用されたヨットクラスでいうと、1992年のIACC(International Americas Cup Class) に似ているとも。
現在のヨットクラスでいうならば、TP52 、来年からルナロッサやランドローバーが参戦する52 Super Seriesで使用されているヨットがAC75を小さくしたような感じのヨットだと伝えられています。
アメリカズカップは、従来マッチレースがメインのレースなので、見どころの一つであるプレスタートでの操縦をよりシンプルにして、攻撃的なスタートになり、レース中も軽風のコンデションでもスピード感を最大限に出せるヨットにするというコンセプトから、レースの時にセールの選択も勝敗を分ける重要なポイントになるとも言われています。
まだわからないことが多い状態ですが、詳しい規定は2018年3月31日に発表される予定です。
それではまた!
続きを読むルナロッサ、2018年から始動!!!
ルナロッサからうれしいニュースが飛び込んできました!
ルナロッサが、2018年の52 Super Seriesに参戦します。
このレースで使われているヨットTP52は、新しくコンセプトが発表されたばかりのAC75に一番近いヨットクラスと伝えられています。
2021年のアメリカズカップ・ニュージーランド大会の準備として、イタリアのサルデーニャ島、カリアリでベースキャンプを設置し、チーム作りの目的として、52 Super Seriesに参戦が決まりました。
52 Super Seriesのヨットは、モノハルで最大船体長が15.85メートル(52フィート)、
ビーム幅が4.43メートル(14.5フィート)、
キールドラフトが3.5メートル(11フィート )、
スピネーカーのホイスト高さは22.4メートル(73フィート)、
最小総重量は6,975キログラム(15,377ポンド)、
キール球重量は3,800キロ(8,400ポンド)。
ヨットレースAudi MedCupが、2011年に終了したのをきっかけに、2012年からアメリカのニューヨークヨットクラブのQuantum Racing、イタリアのヨットクラブ・コスタ・スメラルダのAzzurra と、スウェーデンの Rán Racingが中心になって始まったヨットレースで、注目の国際ヨットレースの1つです。
2017年10月には、Quantum Racingが2021年アメリカズカップの参戦を発表したばかり。
イタリアチーム Azzurra(アズーラ)には、有名スキッパー、元マスカルツォーネ・ラティーノのスキッパー、Vasco Vascotto(ヴァスコ・ヴァスコット)も所属していて、内容的に濃いヨットレースです。
イギリスの Land Rover BARも10月に、52 Super Seriesへの2018年参戦を公表しており、ルナロッサも参戦となると、華やかなレースになることが期待できます!
ルナロッサのプロジェクトは、以下のようになっています。
<第1段階>2018年2月から5月
すでに建造中の参戦ヨットが完成するまでの期間に、約30人のイタリア人セーラーをチーム入りさせて、トレーニングを開始。
<第2段階>2018年5月
新しいヨットTP52ルナロッサを進水予定。
Artemis に所属していた元ルナロッサのスキッパー、フランチェスコ・ブルーニが、新生ルナロッサのスキッパーとして戻ってきます!
また、別情報によると、前述のヴァスコ・ヴァスコット(Vasco Vascotto) や、
Francesco Mongelli(フランチェスコ・モンジェッリ)- マルチセーラーで元 Shosholoza(南アチーム)、
Shannon Falcone(シャノン・ファルコーネ)−元ルナロッサ、オラクル
これらのベテランセーラーのルナロッサ入りも噂されています。
来年早々にデビューする、ルナロッサTP52のデザインも楽しみです!
来年の注目レースは、間違いなく 52 Super Seriesでしょう!
それではまた!
<重要>
2018年1月31日でスポーツナビ+(ブログ)サービス終了が予定されています。
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続きを読む速報!AC75のデザインコンセプトが明らかに!
AC75の全貌がついに明らかになったお知らせです!
T字型フォイルが両サイドについた、フォイルするモノハルです。
両サイドについたフォイルが動くことで、安定性を保ちながらフォイリングし、船体の横転の際にも復元力を持つフォイルとなるようです。
CG動画はこちら!
詳細もお楽しみに!
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続きを読む36回アメリカズカップの詳細
9月29日に公表されたプロトコルについてお伝えします。
開催時期:2021年1月から3月
ヨット:75フィート(23メートル)モノハル (AC75)
開催地:ニュージーランド、オークランド
予備開催地:イタリア
クルー人数:10〜12人
国籍:クルーの80%は、参加チームの出身国の国籍所有者であること
外国人:所属チームの国で少なくとも380日の住民票所持者であること
(2018年9月1日から2020年8月1日の期間を含む)
ヨットのプランナー:国籍不問
ルナロッサのスキッパー:マックス・シレーナ
ベース基地:イタリア、サルディニア島のカリアリ
ヨットクラスの詳細:2017年11月30日に発表
AC75のルール:2018年3月31日に発表
ヨットの建造国:参加チームの出身国
第1艇の進水:2019年3月31日から
第2艇の進水:2020年2月から
チャレンジャーレースのメインスポンサー:プラダ 「プラダカップ」
2018年8月31日にワールドシリーズの開催日程、開催地を発表
クラスAC75のボートで、2019年と2020年に一連の予選レースが開催。
2020年12月にすべての挑戦者とディフェンダーが参加するクリスマスレガッタで終了。
プラダカップでは、各チームが用意する2艇のヨットはレースで同時に使用できない。
ただし、挑戦艇選定レガッタの「プラダカップ」期間中は、ディフェンダーは参加しないので、ディフェンダーに限り、2艇をトレーニングの名目で同時に使用することができる。
チャレンジャー・オブ・レコードのルナロッサが、プラダカップの企画、運営を担当し、ディフェンダーのエミレーツ・チームニュージーランドは、アメリカズカップ本戦の企画、運営を担当。
<主なスケジュール>
2017年11月30日:ヨットクラスAC75の構造に関する詳細の発表
2018年1月1日: 挑戦艇、参加登録の受付開始
2018年3月31日:ヨットクラスAC75のルール発表
2018年6月30日:挑戦艇、参加登録の受付終了
2018年8月31日:アメリカズカップ本戦およびプラダカップの開催地発表
2018年8月31日:アメリカズカップ本戦のレースエリアの発表
2018年12月31日:挑戦艇の遅延登録の最終期限
2019年3月31日以降:第1艇の進水
2019年半ば:アメリカズカップワールドシリーズ、2戦の開催
2020年2月1日以降:第2艇の進水
2020年:アメリカズカップワールドシリーズ、3戦の開催
2020年12月10日から20日:アメリカズカップ・クリスマスレース
2021年1月、2月:プラダカップ
2021年3月:アメリカズカップ本戦
また、9月29日の記者会見で、ルナロッサのオーナー、パトリッツィオ・ベルテッリが強調したことは、
「新しい世代のセーラーを育てる」
「新しいコミュニケーションの手段を最大限に活用して、誰もがレガッタを観戦できるようにする」
そして、この発表を受けて、早速参加の意思表示をしたのは、LAND ROVER BAR。
Sir Ben Ainslie 、 LAND ROVER BARもツィッター上で36回アメリカズカップ参戦に関するコメントを出しています。
https://twitter.com/AinslieBen/status/913729722206625792
https://twitter.com/AinslieBen/status/913729722206625792
注目されるもう1チームは、スイスのアリンギ。
オラクルが参戦しないのなら、アリンギが参戦するとも言われている状況です。
というのは、9月にオラクルの動きが話題になり、ラッセル・クーツが、オラクルのオーナー、ラリー・エリソンの代弁として36回アメリカズカップには参戦しないかもしれないという情報が流れました。
そんな背景があり、アリンギは「検討中」と言われています。
今後の注目は。
オラクルが参戦しないのなら、どこのアメリカチームが出てくるのか?
オラクルのジェームス・スピトッヒルは、どうするのか?
ソフトバンクのディーン・バーカーは、どこに所属するのか?
日本チームの参加は? 日本人セーラーでチームを構成できるのか?
さらなる情報を入手次第、更新します!
それではまた!
続きを読む速報!36回アメリカズカップの概要
本日9月29日、ニュージーランド、オークランドで、エミレーツ・チーム・ニュージーランドのチーム代表、Grant Dalton、 イタリアのルナロッサオーナー、Patrizio Bertelli が同席のもと、36回アメリカズカップのプロトコルに関する公式記者会見が開かれました。
記者会見で話題になった概要は以下の通り。
*ヨットは、モノハルで75フィート。
*参加チームは、2艇のヨットを用意する。造船は自国でおこなう。
*セーラーは、参加チームの出身国の国籍所有者で、国を代表した友好を深めるレガッタ。
*2019年、2020年にワールドシリーズの開催。
*ワールドシリーズのメインスポンサーはプラダ。「プラダカップ」になる予定
ちなみに、記者会見では、ルナロッサの代表として元スキッパーのMax Sirenaも参加しており、ルナロッサのベースキャンプは、前回大会準備のために設置されたイタリアのサルディニア島のカリアリに戻ってくる可能性があるような話もしており、イタリア在住の私にとっても楽しみな大会になりそうです!
プロトコルの詳細を追ってお伝えする予定です。
日本チームはどのような準備を進めるのかも気になります。
それではまた!
続きを読む36回アメリカズカップはモノハルに!
9月11日付の報道によると、次回36回アメリカズカップは、モノハルで行われることが、ほぼ確実になりました。
この情報は、同日のニュージーランド発信の報道でも話題になっていますが、イタリアのメディアでも早速報道されています。
イタリア新聞 LA STAMPAで記事になった、サルディニア島ポルト・チェルボに現れたルナロッサのオーナー、Patrizio Bertelli への直撃インタビューの内容をまとめて紹介します。
(9月3日から9日まで、サルディニア島ポルト・チェルボでは、Maxi Yacht Rolex Cup が開催され、9月10日には、地元ヨットクラブ、Yacht Club Costa Smeralda 創設50周年記念のレースも開催されました。)
* 次回のヨットはモノハル
* チャレンジャー・オブ・レコードで、参加表明するための条件の1つがヨットをモノハルに戻すということだった。ルナロッサは、最終回のアメリカズカップで、ニュージーランドに人材と機材で大きく貢献したから。(次回もカタマランにするのは、ニュージーランドに有利になりすぎる)
* プロトコルの正式発表は、今月末。
* モノハルでも、技術面でフォイルやキールで向上するパフォーマンス性の高いヨットになる。
* アメリカズカップの伝統を意識した出身チームの国籍所有者によるチームの参戦。
* アメリカズカップ本戦の前哨戦になるレガッタは、イタリアでも開催を予定したい。
* ポルト・チェルボに来たのは、Maxi Yacht Rolex Cupのセーラーに、イタリア人がいるが彼らは、ルナロッサ黄金時代のセーラーで、ほとんどが50代のセーラー。若い才能を探して育てるのが 今後の目標になる。
* きっとルナロッサだけがイタリア出身チームにはならないので、本腰を入れてチーム作りに望みたい。
その他に、イタリアスポーツ紙、ガゼッタ・デロ・スポルトの記事でも、モノハルが確定したニュースを伝えており、開催地についても触れています。
* 開催地は、ニュージーランドのハウラキ湾。
* イタリアからの参加チームとして、Mascalzone Latinoが最有力候補。
今月末のプロトコルの発表が面白くなりそうです。
それではまた!
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