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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

JAPAN SAILGP TEAMが発足

久しぶりの投稿になり、その間に起こった新たな動きについてまとめます。

これまでアメリカズカップの立役者の一人であったラッセル・クーツが、ラリー・エリソンと組んで、10月5日に新しいレース、通称Sail GP を発表しました。

 

レースに使われるヨットは、前回のアメリカズカップで採用されたカタマランAC50を改造してF50と命名されたカタマランです。

これは、従来のアメリカズカップの仕来りに反旗を翻した新しい動きであり、より興行性の強いイベントとして発展させるという目的があると読み取れます。

 

レース概要は、世界を舞台とし、2019年からスタートし、賞金100万ドルを賭けたレースになります。

レース開催地と日程は以下の通り。

シドニー(オーストラリア):2019年2月15日ー16日

サンフランシスコ(アメリカ):5月4日ー5日

ニューヨーク(アメリカ):6月21日 ー22日

カウズ(イギリス):8月10日ー11日

マルセイユ(フランス):9月20日ー22日

 

参加チームは、6カ国/6チームで、国名をチーム名としながら、自国籍セーラーに加えて外国人セーラーも混ぜて構成されています。

注目したのは、各チームには過去にアメリカズカップを経験したセーラーが参加していることです。

ー イギリス:Chris Draper(元ソフトバンク)

ー オーストラリア:Tom Slingsby (元オラクル)

ー アメリカ:Rome Kirby (元オラクル)

ー フランス:Olivier Herledant(元チームフランス)

ー 中国

そして、11月20日に最後の参加チームとして発表されたのは、日本チームでした。

元ソフトバンクの吉田選手、笠谷選手に加えて、ユースのジャパンチームで経験のある高橋選手と、元アルテミスのNathan Outteridgeで構成されています。

 

つまり、日本チームは本来のアメリカズカップには参戦せず、Sail GPに参戦することを選んだということになります。

 

レース自体は、国名をチーム名としていること以外は、カタマランのレースですでに存在しているExtreme Sailing にものすごく似ている印象を個人的に持っています。

もう一つSail GPが強気に見える点は、国際オリンピック委員会認可の団体Workd Sailingが後ろ盾にあることです。

おそらく、これはオリンピックで活躍するセーラーをプロとして育成するチャンスとして使われる目的もあるのではないかと想像します。

すでに、Extreme Sailing で参戦しているAlinghiのオーナーErnest Bertarelli は、「次回のアメリカズカップがカタマランで続行するならアメリカズカップに参戦しようと思っていたが、モノハルになったので、参戦をやめた」とイタリアメディアのインタビューでコメントしていたくらいですから、近い将来Extreme SailingとSail GPが融合することもあるんじゃないかという想像もよぎりました。

 

一方のアメリカズカップは、2019年からワールドシリーズがスタートし、イタリアでも開催が予定されているということです。

アメリカズカップの新しい流れと本来の流れを見守る必要がありそうです。

それではまた!

https://sailgp.com/