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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

<ビッグニュース!>ルナロッサが10年の歳月を経て「月食」する!!!

2009年のアメリカズカップ、バレンシア大会でルナロッサは参加の辞退を決定!!

信じられないようなニュースが入りました!

8月3日にイタリアのメディアで公式発表された内容をそのままお伝えします。

「ルナロッサが10年の歳月を経て月食」

(イタリア語で、LUNAは「月」を意味することからこのような表現が使われています。)

「チームプラダがアメリカズカップに別れを告げる」

ルナロッサ、チームプラダのオーナーであるPatrizio Bertelli自身が、2009年のバレンシアには彼のヨットは姿を見せないことを発表。

(Patrizio Bertelliは、プラダのデザイナー「ミウッチャ プラダ」の夫)

「一つのサイクルが完結した。」

「他のイタリアチームがアメリカズカップの参戦にふさわしく、イタリアとしての名前を高く掲げることを期待するだけだ。」

「ルナロッサ、アメリカズカップは無し」

10年間に及ぶ3回連続でのアメリカズカップへの参戦で、1回のアメリカズカップファイナルレース進出、1回のルイヴィトンカップの獲得の記録を持ちながら、Patrizio Bertelliのルナロッサは、次回のヨット界において世界で最も重要なレースで参加者の1チームにならないことになった。

理由は、「一つの周期(サイクル)が完結した。」とチームプラダのパトロンは言う。

「他のイタリアチームがイタリアの名前を高く掲げることを期待するだけだ。」

別れは空気からして読めるものがあったが、誰が信じることが出来ただろうか?

10年間にわたるレースへの挑戦と参加も重要で、アメリカズカップへのもう1度のチャレンジが加わるだけなのに、どうしてレース詳細発表の数ヶ月前に「控えの間」で立ち止まってしまうのか、ルナロッサが「帆を下ろして」ルナロッサの夢を断念することを想像できたのは、ごくわずかな人だろう。

しかし、Patrizio Bertelli様々な局面からの思慮で、冒険がこうして終わりを迎えることが妥当であると納得した。

次回のアメリカズカップのバレンシアの海でPatrizio Bertelliのルナの姿を見ることはないだろう。

イタリアチームは、ダイアモンドの先端無しで、首を切り落とされたイタリア集団となって、わずかに、「アズーロ」(青=イタリアのスポーツチームを象徴する色)を不足することになるだろう。

具体的な動機は未だ明らかになっていないが、チームプラダのパトロンの決定は不動のもので、これ以上ドラマが起こる可能性は残さない。

「3回に渡るチャレンジャーとしての挑戦は、過酷な10年間でもあった。頻繁に称賛もされた。」(Patrizio Bertelli)

「人生で忘れることの出来ない経験の1つで、スポーツ面にせよ、人間的な部分にせよとても前向きであった。」

「改めて、チームとスポンサー、イタリアヨットクラブに感謝したい。彼らは我々を多大な堅実性と情熱でサポートしてくれた。」

「企業の立場としても、この3回の挑戦は1つの文化、経験、視野を獲得させるものとし、円熟させるものとなった」

Patrizio Bertelliが強調した「1つの周期の完結」という言葉。

これは2009年にバレンシアでもう一度ルナロッサを応援する準備をしていた多くのファンとイタリアにとって、苦味のある言葉となった。

しかし、この「遺産」を受け継ぐ人は誰かしらいるはずで、仮にイタリアヨット界の空に最も輝いていた「スター」を失うことになっても、他のヨットが遠回りをしないで新しい光を灯す日まで、闇の中でも航海することに慣れ始めるだろう。

以上が、本日公表されたイタリアメディアでのルナロッサ解散に関する内容です。

今考えると、ルイヴィトンカップでニュージーランドに惨敗した後の、Patrizio Bertelliの「まだ分からない、いろいろ考えなきゃいけない」といったコメントや、スキッパーのFrancesco De Angelisが今後の方向性について「決断は2-3人の権力を握っている人たちが行うもの。それから自分の方向性も決める」というコメントをしていたことが納得できます。

まさかの決定でしたが、こうなるとイタリアチームの今後も見逃せません。

個人的な見解では、ルナロッサがこれまで貢献してきたプラダとしてのビジネスが、アメリカズカップからなくなることは、この大会において大きな打撃の一つになることは間違いないと思います。

このニュースを読んで、もしかして2009年のレース中継ではPatrizio Bertelliが解説することもあるかもしれないのかなぁ~なんて思ったりもしました。

バレンシアでルナロッサのグッズを買ったことや、写真を撮ったことも記念になってしまいました。大事に保存しようと思います。

やっぱり、2年後の開催というのがビジネス的に難しかったんでしょうか。。。

でも残念。ルナロッサ。。。本当にかっこよかったのに。。

今後もイタリアメディアでの話題を中心にお伝えします。