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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

Artemis と SoftBank Team Japan のACC進水式

2月22日にスェーデンのArtemis、2月25日にSoftBank Team JapanのACCが、バミューダでそれぞれ進水式を行いました。

ArtemisのACCは、Magic Blue 。

チームオーナーのTorbjörn Törnqvistさんの夫人が、新艇に見事にシャンパンのボトルを割ってMagic Blueの命名を行いました。

ちなみに、Torbjörn Törnqvistさんとは、スェーデンの複合企業経営の協同経営者で、2016年フォーブス長者番付の世界ランキングで、1011位、スェーデン国内では21位、にランキングされている実業家で、アルテミスのメインスポンサーになっています。

同じ日に、イタリアのアルコール飲料ブランドMARTINIが、Artemisの公式スポンサーとして参加したことも発表されました。

Magic Blue は、第34回サンフランシスコ大会で使われたAC72Sを改良し、ウィングセール、ハイドロフォイル、フオィルラダーなどが再デザインされています。

2016年1月からスェーデンのヨットクラブKSSSと協力のもと、新ヨットのデザインと建築が始まり、船体はアメリカのカリフォルニア州Alamedaにあるアルテミスの基地に運ばれて、組み立てられて、その後バミューダに輸送され、ハイドロシステム、電気機器の設置が行われ、80,000時間以上の時間が設計から建造まで費やされたそうです。

2月22日の進水式の様子はこちらのリンクから。

Artemis Magic Blue Launchを見る

アルテミスには、もう一つの忘れてはいけないストーリがあることをアメリカズカップのフェイスブックでもトピックになっていました。

それは、2013年にサンフランシスコのトレーニング中に事故死したイギリス人セーラーAndrew Bart Simpsonさんのことです。彼の死亡事故がきっかけとなり、レース中にセーラーが命を落とす危険を無くそうという安全基準に関する規定が見直されました。彼の死亡の代償とも言えるべき新しいアメリカズカップへの挑戦を無駄にしたくないという、当時の同僚でもあったアルテミスのIain Percyのインタビューも紹介されています。

Get to know Iain Percy of Artemis Racing を見る

そして、2月25日、アメリカズカップ開催まであと90日となったこの日に、ソフトバンクのACCの進水式がバミューダで行われました。

新しく誕生したACCの名前は、「光」。

当日は、鹿児島の神主さんがバミューダに来訪し、神式による進水式が行われ、日本酒の八海山がヨットの先端に注がれ、「光 Hikari 」の名前が入った船体が披露されました。

スキッパーのDean Barker を始め外国人クルーや関係者全員が日本式の儀式を体験する日になったようです。

新しいヨットの名前になった「光」は、ソフトバンクが公募した430件の候補から選ばれたということです。

ただし、1ファンとしては、なぜ鹿児島の神主さんが選ばれたのか、鹿児島のどこの神社の神主さんがバミューダに来訪したのか、「光」という名前が選ばれた理由について、もっと詳しく知りたいなと思いました。

ソフトバンクのお父さんから、「光って新幹線じゃないんだから」とか突っ込まれなかったのでしょうか?

ちなみに、ソフトバンクには、インターネット接続サービスで、「SoftBank光」というサービスが存在するようですので、もしかしたら、名前の由来はここからなのかとも思いました。

個人的には、ニッポンチャレンジ時代にあった「韋駄天」など勢いがあるかっこいい名前を期待していたので、ちょっと肩透かしな感じの名前に思えます。

ACC光は、全長15メートル、マストの高さ25メートル、最高速度は50ノット以上、187,000時間がヨットの構想から建造まで費やされたそうです。

「最大の秘密は、船体に隠されており、制御システムがどのように機能し、ヨットがどれだけ良いパフォーマンスをするのかということをこれからトレーニングを通じて発見していくことになる。」とDean Barkerのコメント。

船体は、全チーム統一のデザインで、付属パーツ、コントロール機能、航空パッケージを各チームでそれぞれカスタマイズできるという規定で、あくまでも連続フォイリングの追跡と、ヨットの高速化の技術開発を前提にしたカスタマイズが認められ、水力動作は人力によるものでなければならないというのがアメリカズカップの規定です。

このヨットに新たに加わる吉田選手と笠谷選手は、日本チームのヨットの水力動作をコントロールする人材として、鍵を握る存在になると言われています。

これからの活躍が楽しみです。

ソフトバンクチームジャパン「光」の進水式の動画はこちら。

SoftBank Team Japan Hikari launched を見る

さて、ACCの進水式を残しているのは、フランスチーム。

情報を入手次第、更新します!

それではまた!

America’s Cup News-Artemis launched Magic Blue

Artemis Iain Percy Interview

America’s Cup News - SoftBank team Japan launched Hikari