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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

ルイヴィトンカップ/ラウンドロビン1/レース1

第34回アメリカズカップのオラクルの対戦相手を決める、挑戦者選定レースとなるルイヴィトンカップが、サンフランシスコでスタートしました。

今日の対戦はルナロッサとエミレーツでしたが、前日にお知らせしたように、ルナロッサがレース参加を拒否したので、結果としてはエミレーツが不戦勝という形で、最初のポイントを獲得しました。

レース開始1時間前ぐらいに、ルナロッサのチームキャプテンであるマックス シレーナのコメントが発表されました。

「今日のレースに参加しない理由をはっきりさせたい。

すでに公になったように、ルナロッサは全チーム一致がない新しいクラスルールに対して、抗議した。

レガッタディレクターにより導入されたレース勧告の第185条、189条に従ってレースを行う事は、我々の立場からすれば、何かしらの戦略的な意図が含まれているものととらえられているかもしれないが、実際は戦略的な抗議ではない。従って、我々の抗議内容に対する対応を受けるまで、ルナロッサが地上に残る選択を余儀なくする事になった。

我々は、サンフランシスコにレースを見に来たのではなく、レースに参加するために来たのだから。」

ここで、何が問題になっているかをもう少し掘り下げます。

オラクルとアルテミスの使用しているフォイルに装置されているエレベーターがルール違反であり、エレベーター装置を持たない、ルナロッサ、ニュージーランドがこれを抗議しているという事です。

安全規定が、人命を保護するために設定されるべきなのに、安全規定の設定の裏側でスピードに関する装置の構造について、スピードを出来るだけ上げてレースを勝ちたいという(オラクルの)思惑からか、安全とは関係のない項目が入っているというのがルナロッサの抗議の意図です。

今日のレースは、エミレーツが海に出て単独でコースを回るという寂しいものでした。

ポジティブな見方をすれば、エミレーツの最高速度(艇速)が42ノットまで届き、AC72の能力を見ることができたと言えるでしょう。

レースは約1時間という長いレースです。

サンフランシスコの海岸と、有名なアルカトラズ島の間でレースコースが設定されています。

ただ、個人的に見て、この暑い夏日に、全身スーツ、重そうなヘルメットで船上のクルーが動き回っているのは、見ているだけでも暑そうでかわいそうになります。

テレビで見ると、AC72とAC45のスピード感は、ヨットに降り掛かる水しぶきを見なければ、さほど変わらないように見えました。

AC72でレースを行うチームは、わずか4チーム。

オラクル、エミレーツ、ルナロッサ、アルテミスだけです。

しかもアルテミスは、死亡事故のあとヨットを再構築しなければいけなかったようで、内部はボロボロの様な気がしています。

AC45なら、少なくとも5−6チームは参加できていました。

それを考えると、何も無理してAC72で今回のアメリカズカップをする事はなかったのではないかという思いが強くなりました。

AC72に費やす投資を、選手の育成やチームの充実に投資して、AC45で出来るだけ多くのチームがアメリカズカップを争う内容の方が、イベントとしても内容の濃いものになったのではないかと思っています。

次のレースは7月9日(火)の現地時間/サンフランシスコ12時15分スタートで、対戦カードはアルテミスvsエミレーツです。

それではまた!

http://www.youtube.com/watch?v=K1nsxdqGQu4&feature=share&list=UU0gzXt1Ms4WVQ7tyGgjTmqA