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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

新たなプロトコールの変更

アメリカズカップのレース開催まで、あと60日を切りました。

バミューダでは5チームが、先月進水したレース用カタマランACCを使ったトレーニングが始まっていますが、実は、バミューダとニュージーランドの間にイライラが募っているようです。

イタリアのヨット専門誌 VELAの3月23日付記事によると、運営者サイドから突然の発表により、プロトコール(規定)が変更され、その結果チームニュージーランドは仲間外れにされているような状況に置かれているということです。

その記事の内容を下記に紹介します。

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(タイトル)「いや、クーツさんこれはないでしょ」

(なぜラッセルクーツが、名指しかというと、彼が今回のアメリカズカップの運営の責任者であるからです)

オラクルとチームニュージーランドが、ソーシャルメディア上で、炎上。

新たな規定の変更は、オラクルの度重なる嫌がらせ。

防衛チームとニュージーランドの間で、小さな挑発が続いている。

クーツさん、これはないでしょう。今回はKiwi (ニュージーランドチームの愛称)が正しい。

企画の進行中にルールは何度も変更されてはいけない。

防衛チーム(オラクル)とその同盟チームが何も言わない「ペテン」に対して、エミレーツチームニュージーランドのFacebookから地元ニュージーランドの新聞NZ Heraldまで、一同が声を揃えて異論を唱えている。

問題になっている規定の変更は、「スピードテスト」

2つのヨットで行う純粋なシュミレーションレース のこと。

これは、予定にこそ入っていたものの、

「スピードテストの日程は、少なくとも公式レースの開始日の1年前に発表されるべき」という「規定」がある。

しかし、運営部は1年前に何もこのテストに関する発表は行なっていない。

チーム同士のトレーニング目的のレースを行いながら、スピードテストに関する取り扱いが忘れられてしまっていたとしても、スピードテストを行うことができる日について、これまで明確化されていなかった。

これは、1週間前(3月半ば)の状況。

急にスピードテストについてどうするか、話題になった時、その7日後、いきなり運営部からスピードテストに関する日程が発表された。

最初にACCを進水させたのは、防衛艇オラクルと同盟チームLand Rover BARで、彼らがACCで他のチームより、先にトレーニングを開始した。

それが、特に重要性を伴わないように見えるかもしれないが、ACCの準備とシュミレーションレースは、他のチームと比較しながら、自身のヨットが異なる状況下で、フォイルや舵の操作を確かめるための実験の場となるので、チームにとっては重要なトレーニングであり、軽視できない。

スピードテストの日として、短期間のうちに予告されたことは、バミューダにいる5チームがお互いにスピードテストをできることになり、バミューダ入りしていないニュージーランドは蚊帳の外ということになる。

アメリカズカップ参加チーム同士の軋轢は、今年1月に起こった「ロンドンの発表」により、より色濃いものになり、勇敢なるKiwiは、新たな合意に同意しないことを態度で示した。この時も、ソーシャル上で炎上があり、その様子は下記の通り。

①(チームニュージーランド)

「オークランドは、素晴らしい1日。その間、バミューダではオラクルのデザインチームのボスが、チームジャパンのヨットを何か違うところがないかと観察している様子」

②この投稿に対して、オラクルも間髪入れず返信

→オラクルは、サンフランシスコ大会で、KiwiとLuna Rossaのスタッフが一緒にいる場面の写真を投稿し、「笑いが止まらない」絵文字を使ってニュージーランドに返信。

→ニュージーランドが、再返信。「あはは!それは2つのチャレンジャーチームだよ!」

今回のスピードテストの進行において、防衛チームが関係していなければ、AC前のチャレンジャーチーム同士の単なる小競り合いに過ぎないが、今回の発表には防衛チームが関与している。

準備段階で、チャレンジャーチームの間で、多かれ少なかれ何かしら暗黙の合意は存在するもので、蚊帳の外にいるべきなのは防衛チーム。

その防衛チームが、自身のお気に入りのチャレンジャーチームを従えて、1チームを不利な立場に追い込む。その不利な立場に追い込まれようとしているのが、チームニュージーランド。

レースまでまだ日数はあるものの、決して穏やかな雰囲気ではなく既に火花が交わっているようだ。

もしかしたら、アメリカズカップにおけるオラクルの絶対的権力をアピールさせるためかもしれない。

ニュージーランドのペダルは、多くの人々が期待する新しい風穴になるだろう。

きっと多くのファンが、ニュージーランドの自転車を一緒に漕ぎたいと思っているに違いない。

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以下が、スピードテストの日程。

(i) March 22-26, 2017;

(ii) April 6-7, 2017;

(iii) April 10-12, 2017;

(iv) April 24-28, 2017;

(v) May 15-19, 2017;

(vi) May 22-23, 2017;

(vii) May 25, 2017;

(viii) May 26, 2017 – June 12, 2017.

確かに、バミューダで絶対にトレーニングをしなければいけないという決まりもないようなので、地元オークランドでトレーニングを続けているニュージーランドにとって、バミューダにいるチームだけで物事が進められているのは、まったくフェアなことではありません。

ニュージーランドがどのようなレースを戦ってくれるのか、楽しみに待つしかありません!

それではまた!

Giornale della Vela 23032017