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2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

アメリカズカップ/第12日/ルイヴィトンカップ・セミファイナル

バミューダの天候が悪くなり、風速20ノット、激しい雨が降る中でレースが行われ、4チームのヨットそれぞれがボロボロになってしまいました。

今日のレースは第9レグまで(今までは7レグまで)という長いレースコース。

<レース3> SoftBank Team Japan (o) vs Artemis Racing (x)

日本チームは笠谷選手が乗船。

スタートは日本が先行し、44ノットを超えるスピードで進み、リードを作ることに成功します。第3レグで、スウェーデンのヨットで、ダガーボードが外れ、その周りの部品も破れるなどのハプニングが。破れた部品を海に投げ出して、スウェーデンはセーリングを続けます。

ゲート6を周った後ぐらいに、日本チームのダガーボード周辺の部品が剥がれてしまい、その後もスウェーデンとのリードを保ち、日本の貴重な1勝になりました。

**<レース3> Land Rover BAR (x) vs Emirates Team NZ (o) **

ニュージーランドは、レース前にドックに戻りウィングセールを交換してこのレースに臨みました。

スタートを制したのはイギリス。

イギリス先行でレースが進みますが、第5レグでニュージーランドが逆転。

ニュージーランドは、わずかなリードを着実に伸ばしていきます。

第7レグで、イギリス艇の後方のカバーが剥がれてしまい、第8レグで、イギリス艇にまた故障が発生し、スピードダウンしてしまいます。

ニュージーランドは、リードを保ち、そのままゴールし3勝目を決めました。

<レース4> SoftBank Team Japan (o) vs Artemis Racing (x)

スウェーデンは、前のレースで破損した部分に応急処置をしてレースに参加。

スタートは日本が先行し、スウェーデンも後を追いますが、マーク1を周って第2レグに入ったあたりで、スウェーデンのヨットに不具合があったようで、スウェーデンは自らレースコースの境界線外に出て、ペナルティーを受けながらも体制を立て直して、レースコースに戻ってきます。

第3レグに入った頃に、日本のスピードが急激にダウンしたことにより、スウェーデンはペナルティーを消化したつもりでも、審判団からペナルティー解除がなかなか認められず、スウェーデンは手を止めてスピードダウンするしかない状況にあり、日本のスピードダウンした状況をチャンスにすることができず、スウェーデンのヨットで苛立ちが最高に達します。

第6レグで、日本艇にまた破損が発生し、スピードダウンしますが、スウェーデンは追いつくことができず、日本がそのままゴールして、今日の2勝目を決めました。

スウェーデンのゴール差は、わずか27秒。

<レース4> Land Rover BAR (o) vs Emirates Team NZ (DNF)

スタート前のエリアで軽い駆け引きがあり、イギリスが先行スタートします。

その後、すぐにニュージーランドが軽いタックをしてイギリスを追いかけようとした時に、ニュージーランド艇が前のめりになり転覆してしまいました。

その時のビデオはこちら。

Capsize ETNZ 060617

ニュージーランドのクルー3人が海に投げ出されることになり、残り3人は横たわったヨットの上部に取り残されてしまいました。

ダグボードが駆けつけて、ヨットを海面に起こすことに成功しますが、ヨットの破損状態があらわになります。

ウィングセールの上部半分は完全に破損したそうです。

ニュージーランド艇の転覆に気がついたイギリスのSir Ben Ainslieは、セーリングをやめ、助けを提案します。

その後のコメントで、イギリスチームではたとえ対戦相手でも誰かが危険にさらされた時は必ず助けを協力しようとチーム内で決めていると言っており、スポーツマンシップを評価されていました。

今日のレース前にウィングセールを交換したばかりのニュージーランド。

バミューダで修理の資材は十分に手配できるのか。明日までに修理できる破損なのか。いろいろと気になるところです。

今日の悪天候で、全てのチームのヨットがボロボロになるまでレースをする環境についても、今まで休息日なしでレースを続けて来て、こんなに毎日レースを続けることに意味があるのかとも考えました。

観戦する側としても、例えば1週間の金曜日、土曜日、日曜日にレースを予定してくれればもっと多くの人が世界からレースを見ることができるのにと思ったり。

週の前半を休息日にしておけば、チームにとっても修理時間に使ったりできるのに。こんなに毎日ヨットが壊れていては、エンジニア泣かせのレースだなと気の毒です。

今使われているACCは、デリケートな分それなりのメンテナンスが必要とされるんじゃないか。こんなに毎日使い込んでいいもんじゃないような気がします。

<総合成績>

Emirates Team NZ : 3勝1敗

Land Rover BAR : 1勝3敗

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SoftBank Team Japan : 3勝1敗

Artemis Racing : 1勝3敗

それではまた!

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