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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

Luna Rossa Day ! ACWS Venezia 第2日目

第2日目もベネツィアは天候に恵まれたレースになりました。

スタート時の風速は5ノット。

イタリアでの勝手な事情により、テレビ中継は、実際のレース開始2時間後から放映になったので、私もYou Tubeからレースを見ました。

過去であったら、インターネットでライブ中継でレースが見れることなんて不可能でしたけど、パソコンの画面を全画面表示にすると迫力のある映像を見ることができます。

昨日のブログで予告した通り、ベネツィアのラグーナがコースになった今日のレースは本当にすばらしい見応えのあるレースになりました。

まずは、Fleet race(全チーム参加の団体戦)の結果から。

<第3レース>

1) Luna Rossa Swordfish

2) Emirates New Zealand

3) Energy Team

4) Luna Rossa Piranha

5) Oracle Bundock

6) Team Korea

7) Artemis

8) Oracle Spithill

9) China Team

<第4レース>

1) Luna Rossa Piranha

2) Energy Team

3) Oracle Spithill

4) Emirates New Zealand

5) Team Korea

6) Luna Rossa Swordfish

7) Artemis

8) Oracle Bundock

9) China Team

結果からすると、まさにルナロッサデーとなった一日でした。

イタリアチームが、地元で活躍するのを見るのは、この上ない満足と感動をもたらしてくれた事に違いないでしょう。

ラグーナにコースが変わって、まず特徴的なのは、コース自体が長方形が長くなったような形で、緩やかなカーブがかかっています。

コースの幅がとても狭くなったような印象があり、その中でヨットは何度もタックやジャイブを繰り返して前に進んでいくコース取りをします。

幅が狭いという事は、前後左右に交差するヨットとの接触やコース取りもとても重要なポイントとなりました。

また、コース範囲から、ヨットの船体が飛び出さない事も注意しなくてはならない事が分かりました。

第3レースでは、オラクルの2艇は全く冴えないレース展開でした。

中でもオラクルSpithillのチームが第3レースで8位に終わった事は、珍しい事です。

今日も、ラッセル・クーツ(Russell Coutts)は、オラクルBundock のヨットに乗っていました。

レース中には、それぞれのチームのヨットの後部に、「ゲスト」と呼ばれる第6人目の人が1人乗ってよい事になっています。

例えば、昨日はオラクルSpithillの船には、イタリアで話題の人Lapo Elkahnn(イタリア自動車メーカーフィアットの創始者一族の御曹司) が乗っていたようですし、

今日のオラクルSpithillの船には、オラクルのオーナー、ラリー・エリソンが乗っていたようです。

第3レース中に、誰もがヒヤッとしたアクシデントが起こりました。

エミレーツ・ニュージーランドのゲストが、レース中に海に落っこちてしまったのです。

Dean Barkerは、それに気がついたようにも見えたのですが、チーム全体は落っこちたゲストに気を止める様子もなく、黙々とレーシングを続けていたのが、印象的でした。

幸い、この海に落っこちてしまったゲストは、自力ではい上がりヨットに戻ったので、レースには支障が出ませんでした。

第3、第4レースを通じて目立ったのは、ペナリティが出た数が多かった事です。

それぞれのヨットにはセンサーが取り付けられており、船体がコース外に飛び出してしまうと、センサーが反応し、すぐにペナリティとなってしまいます。その誤差、わずか2センチ前後だそうです。

コース外に出たというペナリティは、今日はルナロッサ、オラクルなど何度も受けていました。

ペナリティが出た場合には、その場で減速し、審判が認めたら、レースを再開して良い事になっているそうです。

その他に、他のヨットとの接触。

これも今日のレースでヒヤッとした場面でした。

特に、エミレーツ・ニュージーランドとオラクルBundock のヨットがかなり危ない状況で絡んだ時は、通路を邪魔をしたとされるオラクルBundock のヨットがペナリティを受けて、順位を落とす事もありました。

水の都といわれるヴェネツィアのまさに中心地でレースが展開され、とても見応えのあるレースです。

コース外には、100以上ものボートがレース観戦のために乗り付けて、ボートを持っていない人も、偶然その場に居合わせた人も、自由にレースを堪能できるようなコース取りで、一般観客をうまく巻き込んだ、一部の人のためだけではない、誰ものためのスポーツイベントにアメリカズカップがなった事を見せてくれたレースでした。

ルナロッサが1位でゴールを切った時も、地元のヨットから汽笛によるお祝いコールが響いたりと、とてもオリジナルがあるレースですので、一度でも観戦される事をお勧めします。

あとは、ラグーナにはたくさんの海藻が生えているそうで、海藻がレース中のヨットにくっついてしまうなんてシーンも見る事もできます。

今日まで、2日間のレースの総合結果では、フランスのEnergy Teamが首位に立っています。

You Tubeのライブでは英語の解説者が、何度もフランスのスキッパーLoick Payronが英単語を混ぜながらフランス語で支持を出しているのが面白いと言っていましたが、このチーム、安定した実力を出してきているように見えるので、要注意です。

逆に、この2日間、あまり冴えないオラクルは、チーム内でクルーを変更したりしたらしいです。

そのため、チーム内での意思疎通がまだうまくできていないのではないかというのが、解説者からの見解でした。

最後に、テレビ中継外で行われたマッチレースの結果です。

Artemis(○) VS Emirates(×)

Luna Rossa Piranha(○) VS Team Korea(×)

Oracle Spithill (○)VS Luna Rossa Swordfish(×)

Oracle Bundock (○)VS China team(×)

それではまた!