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もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

ルイヴィトンカップ/ファイナル/レース1、2

ルイヴィトンカップのファイナル戦、ルナロッサとエミレーツの対戦が始まりました!

早速両チームにとって、文字通りの波瀾万丈の展開となるレースになりました。

ファイナル戦は、全13レースが予定されており、7戦先勝した方が優勝というシステムです。

コース内容も変わって、今まで7コース(7レグ)だったコースが、5コース(5レグ)で構成されており、1日にレースが2回行われる事になっています。

さて、結果は。

エミレーツ○ vs ルナロッサ×

ルナロッサにとって、非常に残念で悔やまれる一日になった事は間違いありません。

なんと、スタート前にルナロッサのダガーボード(Daggerbord)といわれるボートの横流れを防止する役目のあるボートに縦方向に向かって刺さっている板で、ボートがタッキング/ジャイビングするたびに人力で上下している板の事です。(エミレーツのダガーボートには、TOYOTAのロゴが入っているあの部分です)

そのルナロッサのダガーボードが壊れてしまい、上下に動かなくなってしまったのです。

実際にどの部分が壊れたのかは、こちらの画像で参考にしてください。

http://luna-rossa-challenge-2013.americascup.com/en/latest/3066/luna-rossa-race-1-of-louis-vuitton-cup-final-against-emirates-team-new-zealand

5日前に新しいウイングに変更し、ダガーボードも少し修正したらしく、5日間問題が無かったのに、スタート直前になりいきなり壊れてしまったそうです。

これを受けて、スタート時間は、予定より15分遅らされ、エミレーツがルナロッサの修復作業を待つ事になります。

この時の、ルナロッサのオーナー、ベルテッリ氏のイライラがサンフランシスコからダイレクトに中継で伝わっていました。(彼はルナロッサのアシスタントボートに乗船していました)

ベルテッリ氏イライラの画像はこちら

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=702884629737973&set=a.702884473071322.1073741880.119505771409198&type=1&theater

ルナロッサのダガーボードの補修が終わり、2艇がようやくスタートゾーンに入っていきます。

ルナロッサが先にスタートゾーンに入ったものの、エミレーツ艇を先にスタートラインに行かせるようにするためにルナロッサが一旦後ろに戻ります。

エミレーツ艇を後ろからルナロッサがつけて、スタート直前で後ろから一気に追い上げるかという勢いでしたが、2艇はほぼ同時にスタートしました。

第1ボアまで2艇とも接戦でどちらも譲らない、積極的なセーリングが見られました。

第1ボアをエミレーツがわずか7秒差でリードして回ります。

そこで、またアクシデント。

ルナロッサのダガーボードが、また壊れてしまい、上下することができなくなってしまい、ルナロッサがなす術も無く、エミレーツにおいていかれる事になってしまいます。

クルー全員が、もうガッカリです。もうフォイリングも出来ません。

レース中は、コース外のチームボートと連絡を取ることができない事になっているらしいので、ルナロッサはそのまま9ノットぐらいのスピードで前進し続けます。

第2ゲート:エミレーツ悠々セーリング

第3ボア:エミレーツが優等生のセーリングを続けるかと誰もが疑いを持っていなかったその時に、アクシデント発生です。

ボアを40ノット近くのスピードで回ったエミレーツのボートがスピードの出過ぎで、コーナーを回りきった時に前つのりになってしまい、ボート機体の前半分が海に沈んでしまったのです!

まさか、転覆かと思われる程の勢いでしたが、幸いボートの転覆はありませんでしたが、クルー2人が海に落ちてしまい、すぐに救命ボートに救助されます。

11人から9人になったクルーでエミレーツは、ボートを進めますが、このアクシデントで、ボートのトランポリンエリアといわれるクルーが往復するゾーンの前部分でカーボンボードで覆われている部分が全てはがれてしまいます。(メインセール下ボート左側)走行しながら、エミレーツのクルーが剥がれたカーボン製ボードが飛ばないよう応急処置をとりながらのセーリングです。

第4レグはエミレーツもフォイリングを止めてしまい、2つのハルが海面についたままのセーリングでした。

エミレーツのボートが海面に沈みかける画像はこちら。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=702884779737958&set=a.702884473071322.1073741880.119505771409198&type=1&theater

とりあえずの応急処置が済んだ第4ゲートを通過して、エミレーツはフォイリングを取り戻しなんとか18.9ノットのスピードでゴールです。

エミレーツにとっても過酷な一日になった事は間違いありません。

予定ならば、このレースのあとにすぐ次のレースがあったので、ボートが破損してしまったエミレーツのディーン・バーカーの表情も厳しいものがありました。

ルナロッサは、事実上、走行不能。エミレーツはすぐにでも修理が必要。そんな状況で、第2戦目はやるのか?という状況になり、一時スタート時間が15分見送られます。

その間に、エミレーツは剥がれたカーボン製ボードを取り外し、ネットを覆う作業を行いました。

両チームと、審判団の間で、再度連絡が流れて、コース上の風速も強い事を理由に、第2戦目は、延期という決定になりました。

レース後のルナロッサ、マックス・シレーナのコメント。

「エミレーツのクルーが全員無事であると聞いて、まずホッとした。

ルナロッサにとっては、思う様な一日にはならなかったが、ポジティブな部分もあった事は強調したい。スタートゾーンでは、決して有利なポジションではなかったがエミレーツ艇に劣らないボートスピードを保って、対抗できた。2つ目のウイングにして、ボートスピードもあがってきた事に手応えを感じている」

今日のレースのダイジェストはこちらの動画でご覧下さい。

http://youtu.be/EsR70QEdMig

次回のレースは、現地時間8月18日(日)です。

それではまた!