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2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

アメリカズカップ/第4日/ラウンドロビン1

風速は16−14ノットで、今日は3レースだけの予定でしたが、またドラマが起こりました!

<レース13> Groupama Team France (o) vs Land Rover BAR(x):53秒差

フランスがまさかの快挙です。

スタートでは、フランスがスタートラインに近づくのが早すぎたために、スタートライン直前で減速せざるを得ない状況に置かれ、横から来たイギリスに押し出されるような形でスタート。

イギリス先行でレースが始まりました。

第3ゲートで、イギリスが回るボアの選択に間違えたようで、その瞬間にフランスが外回りでイギリスを追い抜きます。

イギリスの追い上げが期待されましたが、イギリスはその後も伸び悩み、53秒差のリードでゴール。

イギリス相手に貴重な勝利だったと思います。

<レース14> Emirates Team NZ (o) vs Artemis Racing (x):17秒差

スタートからゴールまで目が離せない、デッドヒートが繰り返されたレースになりました。

ドラマは、デッドヒートだけでなく、 ゴール直前にも!

スキッパーのNathan Outteridgeは、スキーのゴーグルのような大きなゴーグルをかけてレースに挑みます。

まず、スタートでスウェーデンがペナルティーを受けます。

理由は、スタートの瞬間0.00の時に、アルテミスのボートの先端がスタートラインを超えていたからです。

スウェーデンがペナルティーを受けたので、ニュージーランドは先行スタート。

スウェーデンも、ペナルティーのロスをものともしないように、ニュージーランドに対してリードを縮めてきます。

ニュージーランドもタックを間違えたりなどのミスが目立ち、両チームのデッドヒートが合計9回もありました。

第6ゲートでスウェーデンが先行してゲートを周り、ゴールラインを目指しますが、ニュージーランドもわずか数秒の差で第6ゲートのボアを回ろうとします。

その時が問題になりました。

スウェーデンがゴールまでまっしぐらに駆け抜けようとした時に、審判団からペナルティーのコールがかかります。

問題はこのシーン。

スウェーデンの船上からキャプテンのIain Percyの鬼のように怒った顔で、「WHY !」と叫ぶ声が聞こえるほどでした。

ペナルティーの理由は、スウェーデンがボアを先行して回る際に、後から来るニュージーランドのために十分なスペースを残さなかった。ニュージーランドに対する進行妨害である。と判断されたからです。

そのため、スウェーデンは、ゴール直前で減速しボートの全長2叟分の距離を相手に譲らなければいけないというペナルティーを消化して、ゴールすることに。

ニュージーランドは、この最後のボアをバランスを崩してボートが後ろに傾きかけながら、ボアを回ったので、スウェーデンが逃げ切るかのように見えました。

スウェーデンがペナルティーの消化を義務付けられたので、ニュージーランドにとっては大逆転のチャンスになり、そのままニュージーランドがゴール。

スウェーデンにとって、苦い敗戦になったことに間違いありません。

レース後、スキッパーのNathan Outteridgeが、「いまだにショック」というコメントを残しています。

この采配は、レース終了後にも議論になったようです。

<レース15> SoftBank Team Japan (o) vs Groupama Team France (x) : 2分34秒差

日本はこの1戦だけでしたが、フランスチームにとっては今日の2戦目のレースで、体力や集中力の継続を考えるとあまりフェアではないレース対戦のように見えました。

レースの勝敗はスタートで決まってしまったようなものでした。

日本がスタート前に後ろから入り、フランスがスタートラインに近い位置でしたが、日本の方がスタート時からスピードをつけてスタートラインに入ることができたので、第1レグからすぐにリード差ができてしまいました。

フランスチームにはやはり疲れがあったようで、なかなかリード差を縮めることができないまま、日本はDean Barkerらしい落ち着いたセーリングで、リードを伸ばし続けて、昨日の2敗を取り戻すための貴重な勝利を獲得しました。

これで、ラウンドロビン1は終了です。

明日からは、ラウンドロビン2が始まり、ランキング最下位のチームがレースから敗退することになります。

今日までの総合成績は、以下のとおり。

1) Oracle Team USA : 5 Points (勝点4+ボーナス1)

2) Emirates Team NZ : 4

3) Land Rover BAR : 3 (勝点1+ボーナス2)

4) Artemis Racing : 2

4) SoftBank Team Japan : 2

4) Groupama Team France : 2

調子が良くないのは、5戦で1勝しかあげていないLand Rover BARで、ワールドシリーズのボーナスポイント2点があったので、かろうじてランキングは3位です。

まだまだ、どのチームが勝ち進むのか予想するのは難しい状況です。

それではまた!

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