moreamericascup

もっとアメリカズカップ!

2007年スタート。ニッポンチャレンジの復活を期待しながら、イタリア、ミラノからアメリカズカップ関連情報を発信。

アメリカズカップ/第14日/ルイヴィトンカップ・セミファイナル

天候も海上のコンデションも穏やかになり、風速13〜16ノットのコンデションでレースが行われ、修理が心配されたニュージーランドも、他のチームもメンテナンスを終えて、海に戻って来ました。

今日がファイナル進出の鍵となる重要な日になりました。

<レース5> Land Rover BAR (x) vs Emirates Team NZ (o) : 31秒差

イギリス先行でスタートし、26秒以上のリードを保ってマーク1を周ります。

その後も第5レグ中盤までイギリスがリード。

第5レグ中盤でニュージーランドが逆転し、第6レグでニュージーランドが326メートル以上のリードを作ります。

イギリスの巻き返しも及ばず、ニュージーランドが4勝目。

これでファイナル進出に王手をかけます。

イギリスには次のレースで勝ち続けるしかない状況に。

<レース5> Artemis Racing (o) vs SoftBank Team Japan (x) : 39秒差

日本チームには笠谷選手が起用されます。

スタート前から、スウェーデンも日本も譲らない駆け引きとなり、スタートは両チームほぼ同時でしたが、日本チームが0秒より数コンマ早くスタートラインに入ったと判断され、日本チームにペナルティーが課されます。

スウェーデンはこのチャンスを利用し、日本をできるだけ引き離すように先行します。

第3レグでのフライタイムはスウェーデンが100%、日本が97%。

スウェーデンがそのままリードを保ち続け、5ゲートを日本はわずか10秒差の遅れで周りますがリード差を縮めることができませんでした。

スウェーデンにとって、前日の1勝3敗の成績を覆す貴重な1勝になり、これで勝敗を2勝3敗、日本にとっては、3勝2敗になる苦いレースに。

<レース6> Land Rover BAR (o) vs Emirates Team NZ (x):20秒差

もう後がないイギリスがどうするのか?というレースになりました。

スタートは駆け引きがあった後、ほぼ同時にスタートし、マーク1も両チームほぼ同時に周ります。

第2レグでニュージーランドは境界線ギリギリでジャイブしてバランスを崩したりなど、所々でコントロールのミスがあり、イギリス有利でレースが進みます。

第3レグまで両チームは、同じ進路でセーリングしていましたが、接戦で先行するイギリスのウィングウォッシュを受けることを嫌ったニュージーランドは、ここから進路を変え、イギリスとは反対方向のコースで進みます。

その影響を受けることなく、イギリスは5ゲートも18秒差でニュージーランドにリード、第6レグもイギリスリードで、このレースはイギリスに生き残りのチャンスとなる1勝になりました。

これで対戦スコアはニュージーランド4対イギリス2。

<レース6> Artemis Racing (o) vs SoftBank Team Japan (x) : 28秒差

このレースには、日本に吉田選手が起用されました。

スタートはスウェーデンが先行。

第2ゲートを日本は11秒遅れで通過。

第3ゲートを日本は12秒遅れで通過。

第4ゲートもスウェーデンリードで、日本は10秒遅れ。

第6レグでスウェーデンがリード差を362メートル以上作り、スウェーデンが今日の2連勝目、総合成績をスウェーデン3対日本3のタイ記録に戻します。

<レース7> Land Rover BAR(x) vs Emirates Team NZ(o) : 46秒差

ニュージーランドが好スタートし、第2ゲートを13秒リードで周ります。

両チームとも第3レグでフライタイム100%が記録されるほどでした。

イギリスはリードを詰めることに苦しみ、第5ケードではイギリスが35秒遅れで通過。

これでニュージーランドの勝利は確実になり、この勝利でニュージーランドが見事にファイナル進出を決定づけました。

こんなに早くファイナル進出が決まるとは思っていませんでしたが、やはりニュージーランドの組織の強さを感じさせるセミファイナルになったと思います。

<レース7>Artemis Racing (o) vs SoftBank Team Japan (x) : 1分46秒差

スタートは両チームほぼ同時、マーク1も両チーム同時に通過します。

どちらもこの勝利を譲ろうとしない気迫が読み取れます。

第4ゲートまで日本がスウェーデンに対して8秒リードし、第5レグでリード差が50メートル前後と詰まり、接戦になります。

第5ゲートで、両チームがほぼ同じタイミングで、同じボアを周ろうとして、2つの船体がかなり接近した状態に。

両チームから相手チームに対するペナルティーコールが出ますが、ペナルティーを受けたのは日本チーム。スウェーデンの方がボアに対して内側に位置していて、日本チームがスウェーデンの進路を妨害したと判断されたためです。

大きな賭けをしたスウェーデンに、これが逆転のチャンスになりました。

日本がペナルティーを消化している間に、スウェーデンはリードを保ち、そのままゴール。

スウェーデンの3勝目で、対戦スコアをスウェーデン4勝対日本3勝となり、前日までのスコアを逆転させることに成功しました。

日本チームは、負けが見えた第6レース、第7レースで、ゴール前にスキッパーのDean Barker も手を止めてしまうほど、ファイナルレグを完全にあきらめている様子を見たのはなんだか残念に思えました。

これで、明日のレースはスウェーデン対日本の2レースが予定されています。

現状のスコア、スウェーデン4対日本3がどうなるのか?

明日にニュージーランドのファイナル対戦相手が決まるのか?

その辺りが見どころです。

それではまた!

www.americascup.com news 080617